#33 ミルコのタンゴ-表現の粋

まだ興奮が冷めません。 

昨日は、北海道で開催される競技会のうち、
1年で一番大きな大会がありました。

道外、国外からもエントリーがあり、
白熱した戦いがくりひろげられました。
 

全ての競技が終了した後、
最後に予定されていたプログラム。
 
現世界スタンダード王者の

ミルコ・ゴッゾーリ―アレッシア・べティ組


による、5曲のデモンストレーション。

 
いまや遅しと待ち構える観衆。
自分もそれに混じって、
出来るだけ観やすい位置を確保します。

長方形に広い空間が、
彼らの登場を期待する観衆の熱気に包まれています。

500人くらいはいたでしょうか。 

登場口を見ると、
彼らの、彫刻像のような硬質な顔がのぞきます。
 
 
ファンファーレが鳴り、
司会者が、開始のアナウンス。
 

クイックステップから始まり、
ウインナーワルツ、
スローフォックストロットへ。
 

パートナーの衣装替えの間、
踊った直後のミルコが、
日本語であいさつ。
 
司会者へと引継ぎ、
いったん袖へ。


最後に続いたワルツ、タンゴ。
 
ペパーミントグリーンの照明をバックに、
2つのピンスポットライトがフロア上の2人を追いかける。

3拍子の調べに乗って、
観衆に見守られながら空間を泳いでいます。
 

天井に配された18個のシャンデリアが、
深い赤を示す。
追い立てるようなインストルメンタルのタンゴ。
動きが早すぎて何をやっているのかが全く理解出来ない。

途中の過程が彼らの中で刹那に完了し、
見る側にはその結果だけが提示される。
まさに飛び込んでくる。

何とも形容できない。
とてもとても人間の動きではない。
魂に鳥肌が立ち、
息をすることも忘れる。
 
ぞわぞわと身震いし、
込み上げる何かで瞳がうるむ。
 
完全に自分とは別世界。
 

そう思った時点で、
そう思ってしまった時点で、
彼らは自分にとって異界の人。
 

「努力すればあのようになる」

といった言葉を、遠くに感じる。


一個の芸術がそこにはあった。
表現の粋を集めたものがが目の前にある。
  
自分はあれになりたかったんだ。
 
改めてそう思いました。

そして、

このダンスに携わる人は全員、
今目の前にいる表現の体現者になりたいんだ。

たぶんそうだと思います。


万感を双眸に込めて、
2人を見守る。
 
見守られながら、
2人は表現する。
 
 
そんな構図が、
ここにはありました。

 
これから知人の結婚式に出席するために、
韓国へ。
 
14時過ぎの飛行機で。
ブログは一時休止になるかもしれません。
 
再開は、来週の月曜か火曜になる予定です。 

 今日はこの辺でzzz

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://ainoue.net/mt/mt-tb.cgi/33

コメントする

ウェブページ

アーカイブ

アイテム

  • P1040776.JPG
  • P1040630.JPG
  • P1040774.JPG
  • books.jpeg
  • P1040062.JPG
  • P1040639.JPG
  • 51IDakozVnL._SS400_.jpg
  • 517rp-clXkL._SS500_.jpg
  • 51kMcQCOAPL._SS500_.jpg
  • P1040038.JPG

2011年4月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30