#45 "姿勢が良い"という形容-社交ダンス教師という仕事2

眠い。
最近、ものすごく眠い。
特に仕事中の3時とか4時。
どんな時でも、
6時間は寝るようにはしているけど・・・。

昔からそうだけど、
極度に眠い時は
立ったままクラっといってしまいそうになる。

頭が下がってきて、
姿勢を保てなくなって。

危ない危ない。

太った小人がまぶたにぶら下がっているみたい。
何人も。

小人だから、
三角の帽子を被っているのかも。
 
そして、それほどピチピチでもなくて、
それほどダルダルでもない、
タイツのような服を着ているのかも。
 
何かの絵本で見たようなイメージだと、
そんな外見。

まぶたの上がぼんやり熱を帯びているのは、
彼らが力いっぱいしがみついているからなのかもしれない。

中には、まぶたの上に穴を開けて、
ロープを通してブランコを作って
一生懸命漕いでいる小人もいるかもしれない。
2人乗りで漕いでたりして。
 
そんな妄想をしてしまうくらい眠い。
 
小人に負けないで頑張れや~

自分を鼓舞してみる。

さて。

************************************

社交ダンス教師を日常の仕事にしていると、
"姿勢が良く"なる。

らしいです。

社交ダンスに全く触れたことが無かった知人や、
教室にやってくる初心者の生徒さんや、
久し振りに会う地元の友達の目には、
自分はとても姿勢が良く映っているらしいです。
 
「背、伸びたんちゃう?」

と良く言われます。


"姿勢が良い"ということが、
社交ダンスの教師に求められる
1つの資質のようなものになっています。
 
 「社交ダンスの先生=(イコール)姿勢が良い」

という図式。
 
そんな構図が、
常識としてこの世界に流通しているようです。

自分は、この仕事を始めて約3年。
社交ダンスを始めてからは10年になります。

結構な付き合いです。

 「姿勢が良いとはどういうことか?」
 「踊ることとどう関係しているのか?」
 
ということについて、
いいかげん、何らかの答えを持っていても良いと思うようになりました。
 
というか、持っておくべきですね。
先生だから。
  

技術的に言うなら、
姿勢が良いというのは、

「腹部が引き上げられていて、
肩甲骨が自由に動く範囲で肩がストンと落ちていて、
骨盤が後ろに抜けていない状態」

とでも表現できるかな。
あくまで、自分の実感に即して。
 
そして、踊ることとの関係は、

「姿勢が良いから動きやすい。
動きやすい姿勢というのが、
結果的にああゆう姿勢になる。」

そんな理解。

でもこれについての言葉の深さは、
歴代の世界チャンピオンには敵わないから、
ひとまず今の自分のレベルで獲得したものとして。
 
"姿勢が良い"というのは、
社交ダンス教師に
一生ついてまわる形容詞のようなものです。

逆に言うと、
姿勢が悪くなると、

「あれ?あの人本当にダンスの先生?」

となります。

社交ダンスの教師は、
どこにいても社交ダンスの教師として見られる。
 
ということは、
どこにいても"姿勢が良い"ことを
貫かなければならないということです。
 
幸い、
自分は日常で姿勢を良くすることが、
あんまり苦にならなくなっています。

でも、
もし仕事が変わって今の環境じゃなくなったら、
きっと姿勢が悪くなるんだろうな~とも思います。

いや、
姿勢を良くすることは身に染み付いた習慣だから、一生物?

だと良いんですが...


先日、
夜の9時過ぎに札幌駅近くを自転車で通っていたら、
お店から少し離れた道で、
メニューを首から下げて、
割引クーポンを道行く人に配布する
居酒屋のバイトの女の子を見かけました。

人が通るたびに、
声を張って"お得"であることを宣伝していました。
1人で。
 
距離的にお店から離れているのに、
お店の中と同じような態度をさせる
何か(圧力)があるんでしょう。

とても不思議な光景でした。

良く頑張るな~ましてやバイトで。
店に対する思い入れもそんなに無いだろうに・・・

横目で通り過ぎながら、
そんな冷めた目で見てしまいました。
    
 「仕事だから仕方が無い」

当然そう。
 
でも、そんな言葉で片付けたくないと思います。
そんな言葉で理解したということにしたくないと思います。
もっと違う言葉で、自分の言葉で言い換えたい。

そんな気持ちです。

物理的な距離を離れたとはいえ、
その女の子は「自分はお店で働く一員」という意識のもと、
行動していたんだと思います。

きっと、
お店に対する思い入れがあるとか無いとかに関係なく。
 
そんな光景を思い出して、
自分を顧みます。
 
自分は、職場から外に出ても、
社交ダンスの教師の顔をする。
態度をとる。
 
自分は、教室の中でも外でも社交ダンスの先生なのです。
特に生徒さんにとっては。

だから、この女の子と何も変わらない。
 
休みの日に外出する時も、
わりと小綺麗な恰好をするようにはしているし(そうでもない?)、

営業中、用事で外に出る時も、
姿勢を起こすように意識しています。

職場の内外に関係なく、
姿勢を良くして、
社交ダンス教師らしくふるまうことを
意識的にやっています。

この業界にいる先生はみんなそう。
人に見られる商売だから。

このことは、
いろんな業界の人にも言えると思います。
 
プロ野球選手はプロ野球選手らしくふるまうことが求められるし、
力士は力士らしくふるまうことが求められる。

男は男らしくふるまうことが求められるし、
女は女らしくふるまうことが求められる。
 
こうやって、"らしく"ふるまうようになることを、
社会学の用語で「社会化」と呼ぶらしいですね。
だったかな?

自分が所属する世界、
参加する物語の中で、
自分に求められる役割、
"らしさ"というものが必ずある。
 
社交ダンス教師の自分に求められるのは、
「人に夢を与える」という役割。

大げさですが。
 
そして、
それをさらに具体的にしたものの1つが
"姿勢を良くする"という行為。
 
これによって、
自分のことを
社交ダンス教師らしい人として認識してもらう。
 
そして、
自分を見る人に
「夢を与えるという役割をしっかり果たしてくれているんだ」、
という安心感を与えることが出来る。

そんな理解です。

その役割に従うにしても
逸脱するにしても、
ひとまずは、
"求められている役割"を自覚していたいと思います。

社交ダンス教師の特徴の1つである、
"姿勢が良い"ということについて考えてみました。

これについては、
まだまだたくさん考えられそうです。

今回はこの辺でzzz

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