#48 "夢・収入・家庭"という目的-社交ダンス教師という仕事5


昨日は、

    "カップル"

というものについて
考えてみました。
 

     社交ダンスの世界で生計を立てている人には、
     なぜ夫婦や恋人が多いのか。
 

そんな問いを、
立ててみました。


当たり前に思えるけど、
意外におもしろそうだと思います。
 

     なぜ多いんでしょうか?

なぜ夫婦じゃないといけないんでしょうか?

何で夫婦じゃないといけないと、
ぼくは思っていたんでしょうか?

 
自分の思考の前提についての疑問でもあるし、
社交ダンスという世界に流通する
常識に対する問いでもあります。

 
常識的な回答は、


       「2人で組んで踊る営みだから、
        2人が近い距離にいることは当然。
    
       そうなると、
       酸いも甘いも共有して、お互いに情がわいて、
       夫婦になるかそれに近い関係になるのが必然。」
 

こんなところでしょうか。


これに対して、


       「いやいや、そうじゃなくて、
       好きとか嫌いとかの感情に関係なく、
       そうならざるを得ない状況が社交ダンスの世界にはあって、
       それがみんなを夫婦になるように仕向けている理由なんですよ。」
 

みたいな、
常識とは違う原因を、
根拠をもって提示できたら
おもしろいと思います。

 
自分も含め、
この社交ダンスの世界に生きている人達が、
無意識のうちに従っている行動様式、
知らず知らずのうちに日課にしている儀式。
 

そんなことを明らかにできると、
とてもとてもおもしろいと思います。


そこで1つ。
 
この仕事を知るために、
また考えてみました。
 

最近気付くようになりました。

社交ダンスの仕事をする上で、
何を最優先するかが人によって違うと。

 
優先する候補は、
3つ考えられそうです。

 
     ①「競技会での成績」(夢)
     ②「営業成績」(収入)
     ③「家庭の構築・安定」

この3つ。

このうちのどれを優先するかで、
その人の社交ダンス教師としての物語は
違ってくると思います。

人間なら、
どれも同時に追求したいと思うはず。

ぼくも同時に追い求めたいと思っています。
 

        「競技会で良い成績をあげる」という「夢」も追いたいし、
        ダンスをすることでたくさんお金を稼ぎたいし、
        安定した家庭も築きたい。


そう思います。


おそらく、
この3つを同時に目指せるのが
この仕事の美点なんでしょう。


夫婦、恋人であれば、
3つを同時に手にすることが出来ます。
 
手に出来なくても、
それに向かう過程を共に楽しむことが出来ます。


確かに1人でも、
ダンス界の外に奥さんや恋人がいても、
①「競技会での成績」を第一に考えられる人もいるんでしょう。

確かに1人でも、
②「営業成績」を第一に考えられる人もいるんでしょう。


しかし、やはり、


         競技会のパートナーが奥さんもしくは恋人ではない以上、
         長期的にプランを立てられない。


ぼくは、そう思っています。


ダンスのパートナーは、
あくまでチームメイト、仕事の同僚。
 
その場合、

他に人生のパートナーを探す必要もあるから、
その相手でもない人と、
長時間貴重な時間を共有するのは、
明らかに仕事がプライベートを食っていることになります。

③「家庭の構築・安定」が
侵食されていることになります。
 
 
そうなると、

       ①「競技会での成績」と③「家庭の安定」は、

        競合することになる。
 
        トレードオフの関係になる。

 
そうなんでしょう。

仕事とプライベート、ワークとライフ。
 
この2つをバランス良くとりたいと願うのは、
ぼく独りだけの願望ではないはずです。


ましてや、

奥さんや恋人がいなくて競技会に出ていない人、
競技会に出ていても相手が奥さんや恋人ではない人にとっては、

仕事がプライベートを食うようになれば、
家庭の構築もままなりません。

営業時間後を練習という残業に充てるならば、
家庭を築くチャンスはぐっと減るに違いありません。


          ①「競技会での成績」と③「家庭の構築・安定」の競合。
 

こうした状況に直面する時、
競技会での成績向上に特化するか、
家庭の安定に特化するかの選択が
迫られることになるんでしょう。


自分ならどちらを選択するだろうか。
どうやって、
両者の折り合いをつけようとするだろうか。

 
とても大切な課題だと思います。

 
こういうことを具体的に考えることは、
とても大切なことだと思っています。


以前、何かのTVプログラムで、

『バレエダンサーの日常』

のようなものをやっていました。
 
加治屋百合子さんという
バレエダンサーの日常を追う構成でした。
 
ニューヨークの名門バレエ団に入団している彼女の、
"自分の武器であるジャンプの高さを、どこまで評価してもらえるか"
といった思いや、

東洋人としてのコンプレックスみたいなものが、
番組のメッセージとして随所に配されていました。

そして、

プリマまであと一歩の所まで来ている彼女が、
現プリマの背中を拝みながら
フィナーレでお辞儀をする場面を効果的に映していました。

"次は私がその位置に"

ナレーションは、
そんなことを言っていた気がします。
 
その中で印象的だったのが、
彼女達、トップのバレエダンサーの自主練習用に
スタジオを開放している初老の男性の言葉でした。
 
    「彼女達は、朝起きてレッスンをして夜に寝る。
     そして、次の日も起きてレッスンをして寝る。
     その次も・・・
     彼女達はそんな孤独な人生を送っているんだよ。」

 
どきっとしました。
 

レベルの違いはあるにせよ、
もしかしたら、
自分はそんな世界にいるんじゃないかと。

 
ただ、今の自分は、

どちらかというと、
相手が社交ダンスの世界の人であろうとなかろうと、
誰かと一緒の時間を作り、生活し、
共有する時間や経験を蓄積することを優先したいと思っています。

 
そのために、

③「家庭の構築・安定」を犠牲にするほどまでに、
練習に時間を割くことは出来ないと思っています。

(その点では、①「競技会での成績」を諦めないといけないけど。)。


そういう優先順位です。
 

①「競技会での成績」と③「家庭の安定」の関係は、

基本的にトレードオフの関係。
 
しかし、
パートナーが奥さんや恋人である場合は例外。
 
補完関係。
Win-Winの関係。


今、自分は、
こうやって今の仕事を"分解"して、
理解しようとしています。

自分の仕事は、
どういう仕事なんだろうかと。 


毎日触れているだけに、
いろいろと考え付くような気がします。
 
「社交ダンス教師という仕事」シリーズ。
 
なかなかおもしろいです。
 
続編として、
もう少し続けてみる予定。
 
 今回はこの辺でzzz

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