#62 なぜ、社交ダンス教師という職業が成り立つのか?

 


祝日の夕方5時。

開店したばかりの居酒屋。

 

さっきからゴソゴソと落ち着きのなかった連れが、

思い立ったように席を立ち、

持ってきたはずの割引クーポンを取りに帰ると言って店を飛び出していきました


1人残される自分。

太陽の光で熱を帯びた身体が、

少し強めの冷房にだんだんと落ち着かされるのを感じます。

 

それにしても、人がいない。

従業員と自分しかいない。

 

BGMのジャズと、従業員の静かな談笑だけが店内に流れています。


待ち合わせの時、電車に乗っている時、信号待ちの時、ふと訪れる1人の時間。

 

こういう時が思索の時間になります。


前から気になっていたこと。


********************************

 

 なぜ、社交ダンス教師という職業が成り立つんだろうか? 

 

********************************


今の自分だったらどう答えるでしょうか。

 

「人が踊りたいと思っているからだ。」 


そうかもしれないけど、かなり表層的。

何も説明できていない気がします。

 

「踊る」という言葉に回収してしまわないで、

やって来るお客さんの需要を細分化していく必要があると思います。

 

ダンスがしたいのか?

人前に出たいのか?

身体を動かしたいのか?

先生とふれあいたいのか?・・・

 

おそらくどれも当てはまると思います。

 

これらを踏まえて、もっと微分して具体的な言葉に換えてみたいと思います。


そうすると、


「これでお金がまわるシステムを先人が作ったからだ。」


と言い換えられると思います。


たぶん、営業上の基盤になっているシステムのおかげで、

"ダンスをしたい"という需要に対して、

現実的に応えることができるようになっているんだと思います。

 

"どうやってこういうシステムを思いついたか"というところまで考えたいと思います。

 

でも、ひとまずは、どういうシステムなのかを見つめ直してたいと思います。


いくつかに分類できそう。

 

それは、


①恒例化した事業

②料金体系

③2人で1ユニットという社交ダンスの特性


こんなところかな。

 

順番に。


まず、思いつく①恒例化した事業は、


 ⅰ.日常のレッスン

 ⅱ.競技会

 ⅲ.パーティー

 ⅳ.メダルテスト


といったところ。 

 

ⅰ.日常のレッスンは、日々の営業で基本給に当たる部分。

 

社交ダンスの教室は、日曜日以外は毎日営業している所が多いので、

生徒さんの都合の良い曜日、時間にレッスンの予定を入れる。


ⅱ.以下は、ⅰ.とは少し違う。

 

ⅰ.が日常だとしたら、ⅱ.以下は非日常。

定期的に開かれるという点ではⅰ.と同じだけど、その間隔が長い。


ⅱ.競技会には、自分が出場するということを売り文句に、

生徒さんに応援に来てもらう。

他にも素晴らしい選手がたくさん出場するということや、

競技会の最後にゲストで外国の選手がデモンストレーションに来る

いうことも添えて。

 

ⅲ.パーティーでは、生徒さん自身にも発表する機会があるので、

それに向けたレッスンプランを立てる。

 

ⅳ.メダルテストは、技術認定のためのテスト。

これもパーティーでのデモンストレーションと同じで、踊る上での目標になる。

「パーティーでみんなの前で踊るため」「メダルテストで合格するため」。

そういう目標がダンスを踊る更なる意欲につながっていく。


②料金体系


社交ダンス教室のほとんどは、「チケット制」を採用している所が多い。

 

〇〇枚綴りのチケットを購入してもらい、毎回のレッスンでそこから

必要なチケットを切り取っていくという形。

担当する教師によって、必要となるチケットの枚数が違ってくる。

だから、誰に習うにしても"チケットを買う"ということが最初の作業になる。

 

毎回の現金払い制ではなく、チケット制であるということは、

「まだチケットが残っているから、今週も通おうかな。」

と思ってもらいやすいということ。

 

それに、自分の上達を、

お金ではなく使用したチケットの枚数にリンクして考えてもらいやすいということ。 


③2人で1ユニットという社交ダンスの特性

 

社交ダンスは、"2人で踊る"もの。ものすごく大きな特徴。

だから、教師サイドが、生徒さんをフォローすることが出来る。

1人立ちさせて踊ってもらうことが理想だけど、

それだと習う人の身体能力に大きく依存してしまうことになる。

敷居が高くなる。

組んで踊るからこそ、教師が支えて一緒に踊ることが出来る。


今は、自分がどういう仕事をしているのかを見つめ直しています。

自分がしている仕事はこういう仕事だと。

 

社交ダンス教師という職業が出現してからまだ100年も経っていないらしいです

(少なくとも日本では)。

 

ということは、現象としてはとても新しいもので、

これからどう変化していくのかが予測し辛い分野。

だからこそ、どうやって出現して、どういう経緯で変化してきて、

今、どういう仕組みで成り立っているのかを知りたいと思うのです。


もっと深めて考えて、実際の行動につながるようにしたいです。

 

今回はこの辺でzzz 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://ainoue.net/mt/mt-tb.cgi/62

コメントする

ウェブページ

アーカイブ

アイテム

  • P1040776.JPG
  • P1040630.JPG
  • P1040774.JPG
  • books.jpeg
  • P1040062.JPG
  • P1040639.JPG
  • 51IDakozVnL._SS400_.jpg
  • 517rp-clXkL._SS500_.jpg
  • 51kMcQCOAPL._SS500_.jpg
  • P1040038.JPG

2011年4月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30