昨日の札幌。
すっかり涼しくなってしまいました。
特に夜。
この夏は、実質1週間くらいしかなかったんじゃないでしょうか。
夏!と感じられる日が。
寂しいを通り越して、哀しみさえ感じます。
夏は暑くて冬は寒い、と言われる旭川はどんな夏だったんだろうか。
台風が吹き荒れた、兵庫や鳥取や香川はどんな夏だったんだろうか。
一瞬で過去になってしまった「夏」のかけらを慈しみながら、今月の札幌を味わおうと思います。
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今日からは、「社交ダンス界の恋愛システム」について。
「社交ダンス界のサクセスモデル」の続編というか、別角度からの思考というか、関連した内容になれば、と思っています。
最近、自分の周りで、"カップル解消"という現象が増加しているようです。
なぜ?
これについて、シリーズで考えていきたいと思います。
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社交ダンスの世界で競技会に出ようと思った時、プロアマ関係なく、必ずしなければならないことがある。
それは。
"カップル登録"という作業。
社交ダンスは2人でするもの。
だから、競技会もカップルにならないと出られないことになっている。
どうでも良い事だけど、社交ダンス界では、男女の組のことを"ペア"と言わず、"カップル"と呼ぶことが広く採用されているみたいだ。
理由は分からないけど。
だから、初心者の生徒さんにレッスンする時に、生徒さんから"ペア"という単語を聞くと、なんだかとてもほんわかした気持ちになる。
遠い昔に置いてきた記憶を、突然目の前に差し出されたような、そんな懐かしい感覚。
さておき。
カップルを組むためには、まず相手を探して、「(ひとまず)良い成績目指して、一緒にがんばろう!」と、意思を確認する流れになる。
相手探しには、だいたい3つの道があるらしい。
①自分で見つける
②教室の先生や知人のダンス仲間の紹介で
③社交ダンス専門のマッチングサイトや、誌面上の「パートナー募集」欄で
特に③では、年齢、身長、練習可能時間、目指すところ、持ちクラス等を表記して、誰かからコンタクトがあるのを待つ。もしくはそれを見てコンタクトする。
昔の「文通相手募集!」みたいなのと同じような感じもするし、目的のはっきりした「出会い系サイト」のような感じもする。
誰かと誰かを引き合わせるという営みは、きっと大昔から続けられてきたんだろうなー。
こうやって、晴れてカップルになる。
アマチュアだと、「いついつ練習して、どこの練習場に行って、どこの先生にレッスンを受けて、どの大会にエントリーして・・・」。
プロだと、「(基本的に毎日)何時から何時まで練習して、いつ誰にレッスンを受けに行って、いつどこの業者に衣装作りを頼んで、(基本的にどの大会も出場するけど中でも)どの大会に照準を絞って・・・」。
各々そんな感じで、その後の競技ダンスライフをイメージする。
でも。
こうやって、結成して未来を共に思い描いた2人にも、別れの時がやってくる。
カップル解消。
お笑いの世界で言う、コンビ解散。
一般の社会で言う、離婚。
自分は、アマチュアの時に2回。
プロになってから1回。
計3回のカップル解消を経験した。
もちろん、実際の離婚とは違う所もあるけど、"擬似離婚"のような感覚で、今も自分の中に残っている。恋仲になっていなかった時も、恋愛におけるセパレートとかなり似た部分があった。この手の話をするには、とても勇気が要ったし、決心も要ったし、心の準備も要った。
1回目は、なんとなく熱が冷め。
2回目は、自分の幼さゆえに相手や周りを傷付けてしまい。
3回目は、相手と自分の将来を考えた上での、前向きな、でも辛い別れ。
そんな感じだった。自分の場合。
それだけ濃密な時間を共有し、身体と身体をくっつけあい、意思と意思をぶつけ合う。
衣装を着る時、背中のホックを留める時に相手の身体に触れるとか(男がパートナーの衣装を着せることが多い)、相手のメイクをする時に顔を近付けて相手の顔に触るとか(女が男のメイクをすることが多い)。
当たり前になりすぎて、何にも感じなくなってしまったけど、これってかなり非日常だ。
相手の身体に触れることが当たり前なんだから。
それも、別に恋仲でも夫婦でもない間柄で、自然にそういう関係になるんだから。
手を取るのが恥ずかしい、身体をくっ付けるのが恥ずかしい、なんていう時の気持ちは遠い昔に消化してしまった人達。それでも、相手に近付くときめきを踊りに反映させようとする人達。それが、社交ダンス界にいる人達。
毎日のように会い、共通の目的に向かい、身体を寄せ合い、言葉を交わす。
これって・・・
恋人?夫婦?!
そんな錯覚になる。
一緒に住んでいなくても、そう思ってしまう。
擬似結婚を体験しているような、結婚生活のシュミレーションをしているような。
だから、お互いに別に何とも思っていなかった者同士が、先生の紹介とかで(お見合いで)組んだとしても、日を追うにつれて、だんだんと親密になって恋仲になって、結婚に至るというケースがあったんじゃないか。
そんな気がする。
お互いに別に何とも思っていない男と女が、恋人のように振舞うことが前提とされた世界。
恋仲への転化や結婚が構造化された世界。
それが社交ダンスの世界だ。
逆に言うと、お互いに何とも思っていなかった男と女が、そういう環境に身を置くことで、実際の結婚生活みたいなものを経験して、その先の生活を想像して、「あ、こんな感じだったら良いかも。」みたいな感じになって、恋仲になって結婚に至る、という図式が成り立ってもおかしくないと思う。
実際、話を聞いてみると、今の上の世代の人たちは、そうやって今の立場にいるわけだから。
前置きが長くなったけど。
では。
なぜ、そういう「恋仲になりやすい環境」が整っていたのに、最近"カップル解消"が増えてきたんだろうか。
次回からは、先日揚げた『「エコ恋愛」婚の時代』(牛窪恵)を参考にしながら、考えていきたいと思います。
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