猫。
暗い仲通りで、
黒い小さな猫に出合いました。
歩みを止めて、
じっとこっちを見つめています。
右の胴体をこっちにさらし、
顔だけこっちに向けたまま、
じっとして動きません。
自分も見つめ返します。
ちょっとでも動くと、
逃げていってしまいそう。
この黒猫との見つめあい(にらみ合い?)を、
少しでも長く維持しようとしている自分に気付きます。
こいつ、おれ(わたし?)に危害加えないだろうなー。
そんな心の声が聞こえてきそうでした。
ほんの数秒のにらみ合いに終わりをもたらしたのは、
曲がってきた車の音とライト。
こういう出合いはたまにあります。
一期一会をかみしめて、家路につきました。
猫は人の気持ちに敏感な生き物らしいです。
この前、生徒さんから聞いた話です。
その日、あんまりおもしろくないことがあり。
家に帰った後も、
くさくさした気持ちが収まらなかったそうです。
そして、意識的に、わざとらしく、
何回も大きく息を吐きました。
気持ちを落ち着かせようとして。
だんだんと気持ちが落ち着き始め、
その代わりに、
あ~何であんなことになったのかな~と、
反省に近いような気持ちがわいてきて、
しょんぼりとした気持ちになっていったそうです。
飼い猫は、その一部始終を見ていたのでしょうか。
力なく肩を落とし、小さくなった背中に、
そっと手(前足?)を置いたそうです。
驚いて振り向くと、
いつものように甘えるそぶりを見せて。
もしかしたら、猫は、
人の気持ちを敏感に感じ取り、
何をしてもらうと喜ぶか、
ということを知っているのかもしれません。
そして、
知っているだけでなく、
それを行動に移す能力も持っているのかもしれません。
そんな猫への想像から連想して。
猫 → 人の気持ちが分かる → 気持ち
→ 気持ちを外に出す → 表現・演技
ということで。
今回からは、
「演技と社交ダンス」というテーマで、
何かを書いていきたいと思います。
そこで。
1つテキストを用意したいと思います。
それは。
平田オリザさんの、
『演技と演出』(講談社現代新書)。
これを使って、
【演劇の演技】と【社交ダンスの表現】を見比べてみたいと思います。
どこが似ているのか、どこが違うのか、何が学べそうか。
そんなことについて。
そして。
次の3点に絞って、
何かを書いていきたいと思います。
①"演じている(踊っている)自分"と"演じていない自分(素の自分)"
②演技(表現)の方法論
③コンテクストのすり合わせ
今回は、導入ということで、この辺で。
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