#104 平田オリザと社交ダンス1

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  ≪日曜日の風景。道路の上で演奏会です。》

猫。  

暗い仲通りで、

黒い小さな猫に出合いました。

歩みを止めて、

じっとこっちを見つめています。

右の胴体をこっちにさらし、

顔だけこっちに向けたまま、

じっとして動きません。

 

自分も見つめ返します。
 

ちょっとでも動くと、

逃げていってしまいそう。
 

この黒猫との見つめあい(にらみ合い?)を、

少しでも長く維持しようとしている自分に気付きます。

 

      こいつ、おれ(わたし?)に危害加えないだろうなー。
  
そんな心の声が聞こえてきそうでした。

 

ほんの数秒のにらみ合いに終わりをもたらしたのは、

曲がってきた車の音とライト。
 

こういう出合いはたまにあります。

一期一会をかみしめて、家路につきました。

  
猫は人の気持ちに敏感な生き物らしいです。
この前、生徒さんから聞いた話です。

 

       その日、あんまりおもしろくないことがあり。
       家に帰った後も、

       くさくさした気持ちが収まらなかったそうです。

       そして、意識的に、わざとらしく、

       何回も大きく息を吐きました。
       気持ちを落ち着かせようとして。
 

       だんだんと気持ちが落ち着き始め、

       その代わりに、

       あ~何であんなことになったのかな~と、

       反省に近いような気持ちがわいてきて、

       しょんぼりとした気持ちになっていったそうです。

       

       飼い猫は、その一部始終を見ていたのでしょうか。

       力なく肩を落とし、小さくなった背中に、

       そっと手(前足?)を置いたそうです。
  
       驚いて振り向くと、

       いつものように甘えるそぶりを見せて。


もしかしたら、猫は、

人の気持ちを敏感に感じ取り、

何をしてもらうと喜ぶか、

ということを知っているのかもしれません。

そして、

知っているだけでなく、

それを行動に移す能力も持っているのかもしれません。

 

そんな猫への想像から連想して。

 

           猫 → 人の気持ちが分かる → 気持ち 

         → 気持ちを外に出す → 表現・演技
 
ということで。

今回からは、

「演技と社交ダンス」というテーマで、

何かを書いていきたいと思います。
 
そこで。

1つテキストを用意したいと思います。

 

それは。

平田オリザさんの、
           『
演技と演出』(講談社現代新書)。

これを使って、

【演劇の演技】と【社交ダンスの表現】を見比べてみたいと思います。


どこが似ているのか、どこが違うのか、何が学べそうか。
 

そんなことについて。
  
そして。
次の3点に絞って、

何かを書いていきたいと思います。


 ①"演じている(踊っている)自分"と"演じていない自分(素の自分)"
 ②演技(表現)の方法論
 ③コンテクストのすり合わせ

今回は、導入ということで、この辺で。

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