#118 "論理"と"情緒"4―2つの価値観6

CIMG2464.jpg《小さな虫がくっついてきました。なかなか離れてくれません。仕方がないので一緒に職場まで行きました。》
前回は、
人間はバイロジック(複論理)の生き物だということを書きました。

では、
具体的にバイロジックってどういうこと?
について書いていきたいと思います。

 中沢新一さんは、こういった人間の知性を仏教の思想から発想したそうです。


 今、自分は【雲水喫茶】に関わっています。

 だから、中沢さんの思想と重なる部分もあるし、それに追加できる部分も当然あると思っています。


 禅の考えには「行雲流水」というものがあるそうです。

 そして、それは「止住」と「流動」を核とする考え方のようです。


 「止住」は、「1つどころにとどまる」ということ。

 「流動」は、「とどまらず動く」ということ。


 意識の動きに注目すると、

 「止住」は「論理」、「流動」は「情緒」に対応します。


 対応する言葉を挙げていくと。

       【禅】=「止住」:「流動」

 【芸術人類学】=「論理」:「情緒」

    【脳科学】=「左脳」:「右脳」
 
    【その他】= 「頭」:「身体」

           「分離」:「融合」

           「分別」:「無分別」

           「規律」:「あそび心」

           「秩序」:「芸術・狂気・妄想・詩作」       
  
          「技術論」:「本質論」

          「合理的」:「非合理」

   「ああすればこうなる」:「理不尽」

   「因果関係が見える」:「因果関係が見えない」


  こんなところでしょうか。
  まだまだありそうです。
  
  こうやって、いろんな言葉で、人間の知性の働きを2分法にして表現する。

  そして、この2つの協働こそが、「複論理(バイ・ロジック)」であり、今後の人類の取り戻すべき知性の状態である。

 それが、中沢さんの主張だと理解しています。

 
 中沢新一は、「論理的思考」と「対称性の思考」の協働と呼び、

 ダニエル・ピンクは、「左脳主導の資質」と「右脳主導の資質」の協働と呼び、

 禅では、「止住」と「流動」の協働と呼ぶ。


 言葉が違うだけで、だいたい同じことを指している。 

 どの発信者も、前者が肥大して後者が萎縮している現状を憂い、そこから、後者の復権、そして両者の協働の復権を目指している。

 そういった、同じ構造を持っていると言えます。
 今は、そういったことが求められている時代なんだと理解できそうです。


 次回では、"論理"と"情緒"の協働の例を挙げてみたいと思います。

 
 あと。

 中沢新一さんの『芸術人類学』は、まさひろに。

 ダニエル・ピンクの『ハイ・コンセプト』は、コーチのこうすけくんに。

 それぞれ、紹介してもらいました。

 本当にありがとう!

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