#127 耳と目-2つの価値観β

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        ≪モンステラという植物。緑がつやつやです。≫

すっかり寒くなりました。

秋の北海道。
いや、初冬の北海道と言うべきでしょうか。
風はなくても、冷やされた外気と体温がせめぎ合っています。

夜の12時過ぎに、札幌駅を出て家路に。
自転車にまたがり、キコキコと進み始めます。
 
たばこの煙に紛れて、すぐには分かりませんでしたが、
自分の吐く息がうっすらと白くなっていることに気付きました。

強く吐くと、メガネがくもります。

もう、そんな季節です。

 

休日だった昨日、『耳で考える』という新書を見つけました。
養老孟司さんと久石譲さんの対談形式です。

ものすごくおもしろいです。

それは。

 

前回まで、「"論理"と"情緒"シリーズ」に関連付けて考えられそうに感じたので。

 

著者の2人は、「耳」と「目」をキーワードにいろいろと語っています。
中でもおもしろいと感じたのは。
「耳」と「目」という2項に、いろいろなアナロジーを見出している点。

例えば。

【身体器官】 耳     : 目
  【哲学】 時間    : 空間 
  【物理】 運動    : 位置
  【音楽】 リズム   : ハーモニー

こういうアナロジーです。

これって。 

 

他の言葉で表現すると。

      「情緒」 と 「論理」 。

他には、 「流動」 と 「止住」 とも言い換えられそうです。

 

「自分は今、何をしているんだ?」という問いの属する領域が、
「耳」であり、「時間」であり、「リズム」である。

「自分は今、どこにいるんだ?」という問いの属する領域が、
「目」であり、「空間」であり、「ハーモニー」である。

そんな理解です。

 

 「耳」は、有象無象の入り混じった混沌の世界と、人間の身体をつなぐゲートであり、
 「目」は、整然とした美を追求する論理的な世界と、人間の身体をつなぐ扉。

そんな器官として、認識されているようです。

そして。

 

もっとおもしろいのは。

久石譲さんの言葉。

「リズムとハーモニーという、質の違う2つの要素をつなぐものが、メロディーである。」

という言葉。

 

これって。

 

人間の知性を語った中沢新一さんの考えと同型。

「人間には2つの知性がある。それが"論理"と"情緒"。
そして、それの協働作業のことをバイロジックと呼ぶ。」

 同型的。

音楽の世界で言う、リズム ・ ハーモニー ・ メロディー。

学問の世界で言う、 情緒 ・ 論理  ・複論理(バイロジック)。

世の中には、こういう3者構造が、至る所に見つけられそうです。
自分の今いる世界における、3者構造は?

そんなことを考えようとすると、ものすごくわくわくしてきます。

 

社交ダンスの世界では、

  ムーヴメント・シルエット・フィーリング。

社交ダンス教師の世界では、

 インストラクター・競技選手・( ? )

 といったところでしょうか。


こうやって、自分の生きている世界について、いろいろな世界の言葉をリンクさせて考えてみる、
ということは、とても心躍る営みだと思います。


お知らせです♪

Little Star」も更新しました。

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どうぞよろしくお願いします~

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