#137 あいごのわごうさま

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     ≪岩内の大阿弥陀如来像。浄土宗帰厚院にて。高さ7メートル。荘厳です。》

今日は大荒れ。

雨まじりの風が、びゅうびゅうと吹き荒れています。

 

   うぅ~、寒い寒い。

 

心なしか雨粒が固まってきたような。

明日は雪になるそうです...

 

さて。

 

   どうとらえていいかよく分からないもの

というものがあります。

 

   どう解釈していいか分からない。

   どういう立場をとればいいか分からない。

そういうものがあります。

 

ぼくにとっては、例えば、こういう物語。

 

    家宝を無断で売却した罪をかぶせられ、息子は折檻された後、自ら命を絶つ。

    後にそれが濡れ衣であったことが分かり、当主は丁重に供養をする。

 

こういうお話です。

 

これは、

 

日本の民話 津軽・岩手編』(未来社)に収められた、

「あいごのわごうさま」というお話の骨格です。

 

    「あいごのわごうさま」なる人物が、まま母の謀略で、

    家宝である「たけだ、からくりやいばの太刀」を商人に売却した罪を着せられます。

 

    家宝が紛失したこと、ましてや、意図的に商人に売却したことを知った当主は、

    「あいごのわごうさま」を裸にして庭に逆さに吊るします。

 

    その後、江戸にいる叔父を頼って家を出ますが、門をたたいても返事がない。

    会えないことに落胆し、「あいごのわごうさま」は、池に身を投じました。

 

    次の朝、叔父は遺書を発見し、父である当主もそのことを知り、

    まま母を殺し、「あいごのわごうさま」を丁重に供養しました。

 

だいたい、こういう内容です。

 

何を思えばいいんでしょうか。

ひとまず、

   いわれのない罪を着せられてかわいそうに。

   まま母はひどいやつだ。

そんなところでしょうか。

 

   かわいそうに...

   なんてひどい!

   

 

こんなところに落ち着いていきそうです。

この話を聞いた感想として。

 

でも、なんだか物足りない。

もっと何かを思いたい。

 

そんな感想もあります。

 

 

でも、何を思っていいか分からない。

何かを得たい、感じたい、という気持ちはあるんだけど、

その方法が分からない。

 

 

そんなところでしょうか。

 

 

対象にもよるんでしょうが、

もっと多くの教訓を引き出したい、

という思いからくるのだと思います。

 

たぶん、ぼくにとって、このお話は、

もっと言葉を尽くして交流したい作品なんでしょう。

 

何度言い換えても語りつくせないような、

どんな表現をしても不十分なような。   

 

そんな気持ちを喚起させる作品なんでしょう。

 

     かわいそうに。

     ひどい。

   

そういう感想とは違った言葉で、この作品について語りたい。

そんな思いを起こさせる作品なんだと思います。

 

でも、考えてみると、この手の話は無数にありますよね。

 

  身近な人が、主人公を陥れるはかりごとをたくらみ、

  誤解を受けた無実の主人公がひどい扱いを受ける。

 

こういう話型。

 

それにしても。

 

     あいごのわごうさま。

     たけだ、からくりやいばの太刀。

 

なんかすごいネーミングですね。

 

今回はこの辺でzzz

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