#138 ハッザ族の習慣

CIMG4101.JPGのサムネール画像

   ≪この手にさすられると痛みがやわらぐ。そうです。取り外し可能な点が売りのようです。≫


今日は雪。

しかも強い風。

 

真横に吹き付ける強風に乗って、

ふわふわの雪粒が攻撃してきます。

 

うぅ、寒い・・・

 

ニュースでは、暑気に包まれた東京の様子が映されていました。

半袖姿のおじさんが缶ビール片手にお花見を。


日本って長いんですね。

縦に。


同じ4月とはいえ、

びゅうびゅうの吹雪に背中を丸くする人がいる一方、

半袖姿で花見を楽しむ人がいる。


国土は狭いけど、

生活様式に多様性が出てくるのは当然だ。


 

   日本人は〇〇だ!

 

という物言いは、よっぽど慎重にしないと。


地域によって習慣は違うし、価値観も違う。

 

大きなくくりで言えることは、

ほとんどないんじゃないだろうか。

 

さて。


ぼくの好きな雑誌の1つに

 

     『National Geographic』 

 

があります。

 

以前、その中に、

タンザニアのハッザ族についての記事がありました。

そこにこんなくだりが。

 

要約すると、

  

   ハッザ族にはこういう習慣があります。

   子どもが泣かないように、ほほ(目の下に)に傷をつける、というもの。

   泣くと涙が傷に触れて痛いから、子どもは泣かないように育つ。

   

こういうものでした。

  

衝撃。

 

記事の横には、傷の付いたハッザ族の若者の顔写真が、

ページいっぱいに掲載されていました。    

 

確かに泣くと、痛そうです。

 

泣くと傷が痛むということを学習して、

結果的に泣かないようになると言われればそんな気もしますが。


日本に生まれ育ったぼくは、

 

     えっ!・・・かわいそうに・・・

 

という感情がまずわきました。

 

が。

 

ハッザ族にとってはあたり前。

そういうもんだと思われている(かもしれない)。

伝統として、先祖代々、連綿と受け継がれてきた習慣。


だから、


      なんてひどい!児童虐待だ!

 

と言って、「介入」することは必ずしも正しいとは限らない。


そういうことになります。


      人それぞれだね。


で終わっても良いのかも知れません。

海の向こうに自分達とは違う習慣を持つ人たちがいる、

程度の理解で片付けることも可能です。

 

でも、これが日本の中での出来事だったらどうなるんでしょうか。


      人それぞれだね。


とはいかなさそうです。

児童虐待の疑いで、間違いなく警察沙汰になるんでしょう。

特に今の時代。

 

      これがうちの教育方針だ! 


という反論も、

無力な児童を世間から隔離する人非人の強弁と見なされるんでしょう。

 

同じようなことをしても、

自分との距離感によって、

「人それぞれだね」で済まされることとそうでないことが出てくるようです。


子どものほほに傷をつける、という行為も、

ハッザ族なら認められ(許され)、

日本人ならとんでもない!という評価になる。


多様性が礼賛される現代ですが、

 

自分は、

どこまでの多様性を認められるのか、

どこまでを許せるのか、

 

について考えることは、けっこう大切なことのようです。

 

今回はこの辺でzzz

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