#140 トリックスター

CIMG4062.JPGのサムネール画像

  ≪共和町にある西村計雄さんの美術館。観覧料500円。安いのです。≫

生には、


新しい環境になじむ、


ということがあります


        新しい学校、新しい部活、新しい住所、新しい職場、新しい家族・・・


最初は、なじむのが難しいですよね。

特に最初は。


 自分の居場所を見つけること。

 居心地の良さを獲得すること。


そのことが、人生における一大事だと思えてしまう。

この時にできる友達や、この時に周りに認識される自分のキャラが、

その後の自分の行動を規定する。自分の人生を決定する。


そんな気がしてしまいます。


そのことを本能的に知っているから、

最初の混沌のうちに、自分の望む秩序を構築することに躍起になる。

主導権の獲得に血眼になる。


ちなみにぼくは、

新しい環境に身を置くと、

 

あぁ、自分はよそ者なんだな、

ということを身にしみて思い知らされます。

 

ここから自分の居場所を構築していかないといけないんだな、と。


多くの義務感と少しの希望を感じます。


ぼくは、自分のことを、

初対面の人とすぐに打ち解けられるような社交性を持っていないと思っているので

(よくそれで社交ダンスの先生をできているものです・・・)、

この「よそ者」感、「居心地の悪さ」感と、常日頃からつきあっています。

 

なので。


新しい環境に身を置く時に生まれる「居心地の悪さ」という感情が、

どういうものかを知っているつもりです。


でも、最近思うことがあります。


それは。


   「居心地の悪さ」や「よそ者感」は、

   決して悪いことではないということです。

 

必ずしも、


人を後ろ向きにさせるような感覚とは限らない、


ということです。


居心地が悪いということは、自分がその世界に同化できないということ。

自分がその世界に同化するのを引き止める力が働いているということ。

どこからかは特定できないが、そういう力が働いているということ。


だと思います。


同化するということは、きっと、

その世界を無批判に見るようになるということ。

その世界を相対的に見れないということ。

  

目上の人が言うことに、

「へぇ、へぇ、そうですよね~」と、

本音も建前もなくつき従うということ。


そういうことだと思います。


ということは。


「居心地の悪さ」や「よそ者感」は、


自分が初めて接した世界を、いつまでも相対化して、ある程度の距離を置いて、

良い面も悪い面もどっちも忘れないでその世界と付き合いたいと願う、

無意識からのアピールなのかもしれません。


なんかよく分からないけど、同化したくない。

なんかよく分からんけど、ちょっと距離を置いていたい。


そういう感覚のことだと思います。


人類学の分野では、


この種の違和感は、

フィールドワークをする人の資質として前向きに評価されています。


思い起こせば、ぼくは昔から常に「よそ者感」を抱いていた気がします。


転校した時。

新しいクラスになった時。

部活に入った時。

後輩が入ってきた時。

初対面の人と出会って、話をしなければならなくなった時。

予備校に入った時。

大学に入った時。


たぶん、これはぼくだけの感覚ではないだろうと思います。

 

こういう違和感を何か前向きなものに変換したい。


そう思います。


そういう気持ちを持ち続ける限り、これらの「よそ者感」は、

自分の原動力であり続けると思っています。


例えば。


あぁ、自分は今、この社交ダンスの世界で生きている。

この世界って、こういう面でおもしろいと思う。

この世界の一員として扱ってもらえることがとても嬉しい。

 

一方、こういう面ではいまいち入り込めないんだよな~。

なんか冷めた目で見てしまうというか・・・

 

みたいな。


ある面では共感できるけど、ある面では相容れない。

そんな感じでしょうか。 

 

そういう「居心地の悪さ」をゼロにすることに血道をあげるのではなく、

「よそ者感」にこそ新たな発想の種がある、ぐらいに開き直って、

堂々と生きていきたいと思っています。


あぁ~、おれは何もかも満たされている~


という人よりも、


だいたいは満たされた感じはあるし、

幸せな感じもするんだけど、

う~ん・・・なんか居心地悪いな~


という人の方が、味わい深い人生を送るのではないでしょうか?


なんて。

そんなことを思いました。


今回はこの辺でzzz

 

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