#148 社交ダンスの人類学

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《札幌大通公園の桜。だんだんと春の装いに。》

最近、ようやく春らしくなってきました。

札幌の大通公園にも桜色がちらほらと。

 

風はまだ冷たいですが、

これから現れるはずの春を楽しみに。

 

さて。

 「人類学」という学問分野があります。

 

以前にも書いたことがありますが、

人類学とは、

「他者を通した自己理解」という性格を持っているようです。

(『社交ダンスとネイティヴの人類学』シリーズ)

 

ぼくは社交ダンスという世界に長くいます。

 

なので、

社交ダンスの世界に集う人々の言動やそこで生きる自分の行動から、

 

これっておもしろいな。

これって不思議だな。

 

という所感を出発点に、

いろいろと考える癖がついています。

それを人類学の視点から言い直すと、

 

社交ダンスという世界をフィールドに、

何かの問いを発見し、似たような分野の似たような現象と

突き合わせながら、

それについて突っ込んで考えていく。

 

ということになると思います。

 

そして、

 社交ダンスの世界を構成する人々を迂回して、

同じ世界に属する自分のことを理解しようとする。

 

ぼくは、

今までそういうことをしてきたし、

これからもそういうことをしていきたいと思っています。

 

そして、

 

それが学問として成り立つということを直感しています。

この社交ダンスの世界でぼくが感じたことは、

誰でもない自分オリジナルの感覚です。

 

それを、他の人と共有可能なものに翻訳する。

そして、これまでに人類学で蓄積されてきたものと突き合わせて、

自分の感覚をプレゼンする。

そういうことをやっていきたいと思っています。

 

人類学が社会に果たせる役割というのは、

各々が各々の属するフィールドで獲得した感覚を、

他の世界にとって役に立つ参照項になるように翻訳する。

 

そういうものだと思います。

 

生産する物は、「考え方」「思考の方法」「視点」。


あ〜、自分たちはこんな仕方で物事を考えていたんだ!

へ〜、自分たちって、こんな存在だったんだ!

 

と思ってもらえるようなものを提供する。

 

そんな営みに心ひかれます。

 

「社交ダンスの人類学」。

乞うご期待!

 

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