#179 逸脱・非属・はみ出すということ

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《ドイツヴァイスビール。
フルーツジュースのような風味で、いくらでもいけそうです。》

札幌は、今日も快晴です。
高校野球が夏を伝え、
強すぎる陽射しが今年の猛暑を物語ります。
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前回、
「ドミナント・ストーリー」からの逸脱、ということについて書きました。

「ドミナント」とは、dominant(英語)
支配的な、とか、優勢な、といった意味だそうです。

つまり、「ドミナント・ストーリー」とは、

その集団の中に流れるドミナントなストーリー、
支配的な物語、
広く信じられている物語、

だということです。

これは、「常識」という別名でも呼ばれていると思います。

「ドミナント・ストーリー」、つまり「常識」からはみ出すということはどういうことなんでしょうか。

内田樹さんの『日本辺境論』にもありましたが、
日本人は、目の前で起こっていることが「有りなのか無しなのか」、
それを判断する基準を自分の外に求めてしまう。
自分より上位に座する存在(というものを設定して)に、
正否の判断を仰ごうとする。

日本人には、そういう傾向があるようです。

「みんながやってないのにまずいんじゃない?」とか
「誰が考えたっておかしいでしょ?」

そういう言い回しを使って、
ぼくたちはその傾向をぴったりとトレースしているようです。

でも、
「あなたはこういう法則に従っているんですよ。」
「あなたは知らないかもしれないけど、実はあなたはこういう法則に従っていたんですよ。」
とか言われたら、
そこから出たいと思うのが人間だと思います。

この、「そこ」というのが、まさに「常識」だと思うのです。
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では、「そこ」、
つまり、「常識」から外に出るためにはどうすれば良いんでしょうか。

ひとまず思いつくのは、

「誰もやっていないけど、まだ世の中にはないけど、正解か間違いか分からないけど・・・」

といって、
これまでの言い回し(ぼくたちの行動を担保してきた言い回し)に、
「けど」を突きつけることだと思います。

ひとまず。

しかし、実際にやってみると、とても不安になってしまいます。

先が見えなくなってしまいます。
とても恐ろしいのです。
ぼくは、既存のレールからはみ出すことを、
とても恐ろしいと思ってしまうので、
他の人よりも余計にそう感じているのかもしれません。

真に闘うフィールドはここにあるのかもしれません。
特定の敵と闘っているというよりも、
言葉では言い表しにくい空気のようなもの、
そういうものと格闘しているような感覚です。

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