#37 結婚の儀式-韓国・結婚・思考の軌跡4

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式は、
午後3時からだった。

 
前日の雨降りとは打って変わって、
太陽の光が攻撃的に体に届く。
 
暑い。
蒸し暑い・・・
 
 
滞在しているホテルは、
ソウル市内のヨンナムドウ(?)
という所にある。
 
南大門や東大門からは、
タクシーで15分くらいの距離か。
 
自分達のような外国からの観光客というよりも、
地元の人で賑わう繁華街。
 
お店もたくさんある。


午前中に起きて、
式までの時間を
その辺をぶらぶらして楽しむ予定だったけど・・・


目が覚めたのが、
12時前。
 

昨日のマッサージで
癒されたのか疲れたのか、
寝てから一瞬で目が覚めたようだ。


ご飯を食べに行くぐらいしかできないなー。
  
 
日曜だからだろうか、
人がものすごく多い。
 
特にカップルがやたら多い。
 
老いも若きも仲良く手をつなぎ、
韓国に対して持っていた
硬派なイメージが覆される。   
 
良い国だ。


屋台や出店を物色し、
適当に選んだ食堂に入る。
 
店内は韓国の人たちばかりで
混雑している。
 

10人ほどの中高年の男女のグループが2組。
そして、2人連れが自分を含めて6組。
 
どこのグループも、
何やかんや大きな声で話しながら、
肉を食べ、キムチを食べ、焼酎を飲んでいる。

相変わらず
ものすごいエネルギーだ。
 

店内の中央に向けて
据え置かれた大きな扇風機は、
上り調子の外気ではなく、
店内の客の熱気を冷ますために
機能しているようだ。

 
無難に石焼ビビンバを注文し、
辛い辛いと言いながらもぐもぐする。
 
隣に座った1人のおばちゃんが、
真っ赤なそう麺(名前忘れた)をもぐもぐしながら、
ちらちらとこちらを見ている。
 
にっこりと微笑むと、
あちらも微笑み返してくる。
    

3回目のキムチとカクテキのお替わりを済ませ、
それも半分くらいになった頃、
おばちゃんが、
自分の分のキムチの皿を
無言で差し出してきた。
  

たどたどしく発した韓国語の"ありがとう"が、
相手に届いたのかどうかも分からないうちに、
おばちゃんはそそくさと店を出て行った。
  
とても良い経験をした。

この国を好きになる材料が
また1つ増えた。


会場は延世(ヨンセイ)大学の
セレモニーホールのような所らしい。
  
ホテルからタクシーで
1,000円もかからないと聞いていた。


昼食に辛いものを多く蓄えたお腹を休め、
2時過ぎに出発。
  
15分程で到着した。
ハンドルの横にあるメーターは、
5,900ウォンで止まっている。
  

入り口にある案内に
知人の名前があることを見つけ、
3階へ向かう。


フロアの入り口では、
額に入った素敵な笑顔の新郎新婦が
出席者を出迎えていた。 
  

テールコート姿の新郎を目にし、
自分が彼の結婚を祝いに来たということを
改めて自覚した。
  
彼の友人の奥さんが、
日本語で自分達を席まで案内してくれた。 

 
新婦は、本当に美しい韓国の女性。

流暢な日本語で
労いの言葉をかけてくれる。 
 

予想より広くて洒脱な会場を眺めまわし、
次々にやってくる出席者に目をやりながら、
開始の時を待つ。

 
体格の良い司会者が開会を告げ、
色鮮やかな民族衣装に身を包んだ両家の母親が、
祭壇に火を灯すために立ち上がる。
 

続いて新郎の大学時代の恩師が壇上に上がり、
それに合わせて、
新郎新婦が入場する。
 

200人くらいの会衆に見守られ、
2人は中央の赤じゅうたんを進んでいく。
 

この赤じゅうたんは、
これから2人が生きる物語の出発点。

滑走路。
未来航路のプロローグ。
  
 
齢70前後とは思えない程に
姿勢の良い恩師と2人が向かい合い、
恩師からのスピーチが始まった。

向かい合った3人を、
親類縁者、会場関係者、司会者、写真屋さん、ブライダル業者らが
魚鱗のように囲み、見守っている。


結婚式とは、
こういう風景なんだな。

 
個人と個人の関係とは言いながら、
両者の家族と切り離された結婚
というものはあり得ないだろう。

家族に代表されるような、
相手につながるチャンネル1つ1つを受け容れる、
そして自分につながる1つ1つのチャンネルを受け容れてもらう。


結婚ってそういうもんかな。


韓国語なので、
内容は良く分からなかったが、
門出に立つ2人に対する
激励、いたわり、祝福が述べられていたのだろう。

周りを見ると、
恩師の言葉にうんうんとうなづく人が何人もいた。
 

友人だろうか、

彼らに年の近い男女10人ほどが、
ピアノの伴奏に合わせて
美しいメロディーの歌を歌う。
 

何度も何度も目元をぬぐう新婦。
それに手を遣る新郎。

 
その後は、
2人が両家の両親に深々とお辞儀をし、
もと来た赤じゅうたんを戻って行った。 

 
時間にして30分ほどの式だったが、
持参したデジカメで撮った画像は100枚を越え(動画も撮った)、
あっという間に電池が切れてしまった。
 

2人の幸せな人生を祈る。
 

そして、

2人の幸せを願える自分を嬉しく思うと同時に、
少し安心する。
 
そんな自分で良かったと。

 
2人はこれからどんな物語を生きるのか。
どんな物語を語り始めるのか。
 
そんなことに思いをはせてみる。
 

さて、自分はどんな物語を語ろうかな。

 今回はこの辺でzzz

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