《小樽塩谷。波と遊び、アサリを拾い。穏やかな気候ながら日焼けで全身ひりひりです・・・》
ちやほやされる時というのがあると思います。
幼い頃に、かわいいね〜と言われたり。
新人の頃に、筋が良いとほめられたり。
人気がある時にきゃあきゃあ言われたり。
時流に乗っている時にちやほやされるということは、
人の世の常のようです。
社交ダンスの世界では、
競技会での成績が好調な時、
生徒さんやOBの先生達からかわいがってもらえます。
期待できそうな新人が現れた時、上り調子の時は、
自ずと周りに人が集まってくるものです。
でも、それがなくなる時が必ず来ます。
ちやほやされなくなる瞬間というものが。
それはどういう時なんでしょうか？
それは、
自分よりもかわいがられる者が登場した時だと思います。
例えば、
弟ができたとか、
有能な部下が入社したとか。
例えば、
いつも大人の間でかわいがられていた幼い女の子が、
自分より年下の女の子の登場によって、
いつも自分をかわいいかわいいと言っていた大人達が、
自分ではなくその年下の女の子にばかり目を向ける様子を
目の当たりにする場合。
こういう時って、
きっとその女の子は、おもしろくないはずです。
寵愛の対象が自分から別の者に移る瞬間を目撃するわけですから。
こういう経験を経て、
ああ、自分はいつまでもかわいがられるだけの小さな女の子ではないんだな。
とか、
これからもかわいがってもらうためには、
今までのやり方では通用しないんだな。
とか、
新しい面でアピールしてまた周りの人にかわいがってもらいたいな。
とか、
そういった考えを育てていくのかもしれません。
社交ダンスの選手の場合も、
成績の上下で客層が増減するのは、確かにあるとは思います。
生徒さんとしても、上り調子の先生に師事したいと思うのは当然です。
成績によって、ちやほやされるか否かが左右される。
調子が良ければ生徒さんもついてくるし、落ち目だと離れていく。
こういう部分は否定できません。
ただ、ここからちょっと外れますが、
そういうビジネスってどうなのかな、と思います。
社交ダンスというビジネスを
そういうふうに考えてしまうのはどうなのかなと。
成績が一つでも上がればついて来てもらえるけど、
一つでも下がれば、さーっと離れていくような客層を
ターゲットにしていて良いのかなと。
社交ダンスの先生というのは、
不特定多数の顧客に商品を販売するような業種ではありません。
顔も声も、もちろん組んだ感触も知っている、
特定のある程度の数の顧客を対象にしています。
「顔の見える」関係です。
なので、
競技成績という一つのファクターに、
その経営が大きく左右されると考えるのは得策ではないと思います。
そういうふうに流動していく人達だけをターゲットにしていたら、
体も心も持ちません。
今日のチャンピオンはあなただから、
あなたの所に習いに来ました。
でももし明日あなたがチャンピオンでなければ
新しいチャンピオンの所に習いに行きます。
もしも、社交ダンスの先生が、
こういうお客さんをターゲットにしているのであれば、
それはそれはものすごくストイック
（ぼくは、これを悪性ストイックだと思っています。）
だと思います。
少なくともぼくはそんな生き方はしたくないと思います。
そもそも、
「生徒さんは競技成績のみで流動する」
という考え自体が幻想だと思います。
もちろん、
生徒さんは自分の先生が大会で良い成績を収めたら嬉しいに決まっています。
でも、
社交ダンスの世界はそれだけじゃない。
生徒さんが流動していくかどうかは、
もっといろいろな要因がからんでいる。
そう思うのは間違いじゃないと思います。
ぼくは、それをもう、当たり前すぎて、
今の世の常識だとさえ思っています。
それなのに、
競技成績という一つの要因だけを肥大化させて、
それによって生徒さんもついてくると考えるのは、
ちょっと極端なのかなと思います。
後半、ちょっと外れましたが、
ちやほやされなくなる瞬間についての話でした。
ちやほやされなくなる瞬間というものを自覚しておきたいと思います。
自分の身に起きていることを知っていたいと思います。
そして、そこから次なる行動を発想していく。
そういうふうに生きたいと思います。
一時の成績だけでは左右されないと思います。
習い続けている生徒は見る目持ってますし、先生の実力をちゃんと分かっています！！
ある程度の実力と、最後は「人間性」です！！
寛容であること・気長であること・必要な時期に必要な事を教えてくれること・行くと楽しい気分になること
がrenoaが習い事に求める重要項目です。
コメントありがとうございます。
＞一時の成績だけでは左右されない。
そう言っていただけると嬉しいです。
ただ、供給者側としての教師の世界には、自分を律するために、
「成績が落ちると生徒さんが離れていくぞ！」という戒律のようなものが非常に強く広まっているのも事実です。
それが、程よい緊張感となって、自分の提供するサービスの質を向上させるうちは有益だと思いますが、
サービスを提供する気も起こらないぐらいに打ちのめすような戒律は必要ないと思います。
後者を指して、一方的に「弱い」と断ずるのは、現実が見えていない証拠だと思います。
教師が売るものは「技術」。確かにそれも真実ですが、それだけではない。
もしそうだとしたら、人間なんかよりもずっと精巧なロボットであった方が良い。
でも、ロボットだと習いたいという気持ちは起こらない。
おっしゃる通り、大切にすべきは、「人間」の部分なんでしょうね。
＞寛容であること・気長であること・必要な時期に必要なことを教えてくれること・行くと楽しい気分になること。
これは、全ての教師にとっての金科玉条ですね。
勉強になりました。
ありがとうございます。